前向き?それともただの能天気?
前向きに考える というのが私のモットーだ。
それがとってもよく現れているエピソードを一つ。
4年前の3月。
以前から行きたかったスペインへ旅行に出かけた。
初めてツアーではなく個人旅行にした。
メンバーは、英語堪能な叔母と母と私の三人。
チケットの手配やら列車、ホテルなどの予約も
すべて叔母が取り仕切ってくれた。
憧れのパラドール(古城や宮殿を改築した国営ホテル)
にも泊まれるとあって私もワクワクしていた。
スペイン滞在2日目。
この日はマドリッドからアルハンブラ宮殿のある
グラナダへ行くために電車に乗ろうと移動中だった。
傍から見ると、どう考えても無防備な
東洋人3人だったかもしれない。
あっという間の出来事だった。
後ろからどどど と走ってきた強盗5人に襲われたのだ。
相手も慣れているのか(?)見事な手際のよさで
羽交い絞めにし、ナイフでそれぞれのバックを切り取り
目にも見えない速さで逃げていったのだった。
あまりにも突然のことだったので
最初はボーゼン
とするだけ。
少し落ち着いて行き着いた事実は
3人ともパスポートから財布まですべて奪われ
無一文になってしまった ということ。
手元には重いスーツケースが残っただけだ。
スーツケースにもせめて現金やカードを入れておいた方が
いい とここで後悔してももう遅い。
普通ならここで強制送還となるところだが
ここからがちょっと違う。
たまたま通りかかった現地の日本人女性が
困り果てている私たちを見て、声をかけてくれたのだ。
日本大使館へ連れて行ってくれ、
お金がなきゃ、帰ってください という冷たい大使館員を
説き伏せてパスポート再発行のお金を貸してくれ、
(それすら持っていなかった)
しかも、クレジットカードを再発行するまでの生活費まで
面識のない私たちに用立ててくれた。
本当にたまたま通りがかった、
共通項といえば同じ日本人というだけ。
それだけでここまで親切にしてくれる人が
あの時間、あの場所にいてくれたという事実。
確かに私たちは不運だったのかもしれない。
2日目、3日目は手続きに追われて
当然その二日間はどこにも観光には行けず。
叔母も母も落胆し、見る見るうちにやつれていく。
そんな中でも要は気持ちの持ちようだと私は考えた。
普通の旅行で大使館になんか行けないし(当たり前だ)
ましてや現地の警察に被害届けを出しに行くこともない。
やらなくてはいけないことがたくさんあったため
叔母と私は別行動を取った。
私は無謀にも一人で警察に駆け込んだ。
カタコトの英語を話す日本人が
カタコトの英語を話すスペイン人を相手に
こんな事件が起こりました、大変でした、参りました![]()
と説明するのだ。
でもやってみると何とかなるもので
これこそが生きた英会話や~ん
と、自己満足したりで何だか楽しくなってきた。
“こんな経験しようと思っても出来ないやんか。
逆手にとって楽しもうよ
”
そうは言っても目の前の現実から
なかなか立ち直れないのが普通だろう。
どんどん落ち込む二人を私は能天気に励まし続けた。
そして、無事パスポートもクレジットカードも
手に入り、4日目からは通常の日程で
旅行を楽しむことが出来た。
そうなれば、後は思いっきり満喫するだけ。
そして、スペインを出発する前日。
助けてくれた女性と彼女のボーイフレンド
(とってもチャーミングなおじさんだった)
のスペイン人を食事に招待した。
地元のパエリアのとっても美味しいお店を
教えてくれて、スペインのワインも堪能し
そこでも楽しいひと時を過ごした。
そして、心からの感謝の気持ちを伝えた。
あんなことがなければ当然この出会いもなかったし
この旅行がここまで強烈に印象に残ったこともない。
やせ我慢している と思う人もいるかもしれないが
私は、本当にあの無一文の状態からの
一連のことを楽しんでやっていた。
しかももう一つ。
植物園かと思うような広大な空間を
“ここがアトーチャ駅か~”
とのんびり散策していたその場所は
一週間後の同じ日、列車爆破テロが起こり
多くの犠牲者を出した。
もし旅行日程が一週間先だったら・・・
やはり私たちは幸運だった。
そして、心からもう一度あの場所に行きたい
と今でも願っている。
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